学生アルバイト、収入多いほど学業支障やトラブル

 アルバイト経験がある学生の4人に1人が、試験勉強や講義出席など、学業に支障があることが平成30年3月19日、京都ブラックバイト対策協議会の調査結果からわかった。トラブルも6人に1人が経験しており、収入が多い学生ほど、学業への支障やトラブルが増える傾向にあった。

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学業などへの支障の有無
  • 学業などへの支障の有無
  • アルバイトの目的
  • アルバイトに従事している業種
  • 1週間あたりのアルバイト時間数
  • アルバイトによる月間収入額
  • 学業などへの支障の具体的内容
  • 会社(事業主)などとのトラブル経験の有無
  • トラブルなどの具体的内容
 アルバイト経験がある学生の4人に1人が、試験勉強や講義出席など、学業に支障があることが平成30年3月19日、京都ブラックバイト対策協議会の調査結果からわかった。トラブルも6人に1人が経験しており、収入が多い学生ほど、学業への支障やトラブルが増える傾向にあった。

 京都ブラックバイト対策協議会は、京都労働局、京都府、京都市が連携して平成28年3月に設置。京都の学生アルバイトをめぐる現状や課題を把握し、適切な対策を講じるため、平成29年9月6日から11月30日まで、京都府内の大学院生、大学生、短大生、専門学校生らを対象に「平成29年度学生アルバイトの実態に関するアンケート」を実施し、2,625人から回答を得た。

 直近1年間にアルバイト経験がある学生は84.5%。アルバイトの目的は、「クラブ活動や小遣いなど」66.9%、「生活費」42.7%、「アルバイト経験が将来に役に立つと思うから」39.8%の順に多かった。業種は、「飲食チェーン店」31.9%、「コンビニ・スーパー」19.8%、「学習塾・家庭教師」16.5%など。

 1週間あたりのアルバイト時間数は、「10時間以上20時間未満」が40.4%と最多、ついで「10時間未満」33.3%、「20時間以上30時間未満」18.6%。「30時間以上」との回答も4.6%あった。おもな時間帯は、「17時~22時」が72.4%を占めた。

 アルバイトによる月間収入額は、「3万円以上6万円未満」が46.0%ともっとも多く、「6万円以上9万円未満」26.2%、「3万円未満」13.2%、「9万円以上」9.6%と続いた。全収入におけるアルバイト収入の割合は、「5割以上」が47.1%にのぼったが、「不明・無回答」の学生も44.6%いた。

 学業などへの支障は、29.0%が「あり」と回答。アルバイト月間収入が増えるほど、「支障あり」の学生は増加し、1か月に9万円以上稼ぐ学生では4割以上が学業などに支障があると答えた。支障の具体的な内容は、「試験勉強の時間確保」52.1%、「授業・講義への出席」51.6%、「クラブ・サークル活動」22.1%の順に多かった。

 会社(事業主)などとのトラブル経験は、16.5%が「ある」と回答。アルバイト月間収入が増えるほど、トラブルを経験した学生は増加する傾向にあり、「3万円未満」11.6%に対し、「6万円以上9万円未満」は21.6%、「9万円以上」は23.0%にのぼった。

 トラブルの具体的な内容は、「一方的に急なシフト変更を命じられた」23.7%、「1日6時間を超えても休憩時間が与えられなかった」18.3%、「一方的にシフトを削られた」17.2%、「準備や片付けの時間の賃金が支払われなかった」16.6%、「採用時に約束した以上のシフトを入れられた」16.3%の順に多く、労働基準関係法令や最低賃金法など、法律違反の恐れがある内容も含まれていた。

 労働法制の知識は、最低賃金や休憩時間に関しては6割以上の学生が「知っている」と回答したが、「業務命令による準備・片付け時間も賃金を支払う義務がある」は50.8%、「労働条件通知書を交付する義務がある」は39.8%にとどまった。

 アルバイトトラブル防止や就職時の適職選択のため、高校や大学の授業でワークルール(労働基準法など)を学ぶことについては、58.1%が「望ましい」と回答。公的機関の相談窓口の利用向上については、「支援内容を明確にする」「大学などに身近な相談窓口を設ける」「もっと窓口の周知を図る」がそれぞれ約4割あった。
《奥山直美》

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