2017年度の教育産業全体市場規模は2兆5,623億円、9分野で市場拡大

 矢野経済研究所の調査によると、2017年度の教育産業全体市場規模(主要12分野計)は、前年度(2016年度)比1.8%増の2兆5,623億円にのぼることが明らかとなった。「学習塾・予備校市場」「英会話・語学学校市場」など9分野で市場規模を拡大している。

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教育産業全体市場規模推移(主要12分野計)
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 矢野経済研究所の調査によると、2017年度の教育産業全体市場規模(主要12分野計)は、前年度(2016年度)比1.8%増の2兆5,623億円にのぼることが明らかとなった。「学習塾・予備校市場」「英会話・語学学校市場」など9分野で市場規模を拡大している。

 「教育産業市場に関する調査」は、学習塾、予備校、資格取得学校、語学スクール、カルチャーセンター、料理教室、幼児教室、体操教室、研修サービス事業者、eラーニング事業者、通信教育事業者、知育玩具メーカー、業界団体、管轄省庁などを対象に実施したもの。調査期間は2018年7月から9月まで。

  2017年度の教育産業全体市場規模(主要12分野計)は、前年度比1.8%増の2兆5,623億円。主要12分野のうち、「学習塾・予備校市場」「資格検定試験市場」「英会話・語学学校市場」「幼児英才教育市場」「企業向け研修サービス市場」「eラーニング市場」「幼児向け通信教育市場」「学生向け通信教育市場」「幼児向け英語教材市場」の9分野で市場規模が拡大。一方、「資格取得学校市場」「カルチャーセンター市場」「社会人向け通信教育市場」の3分野は市場規模が縮小している。

 2021年1月より導入される「大学入学共通テスト」では、民間英語検定試験を活用した英語4技能(聞く、話す、読む、書く)評価の導入、小学校で2020年度より実施される新学習指導要領では、小学3・4年生で英語が必修化、小学5・6年生で教科化が予定されている。これらの教育制度改革への対応として、学習塾・予備校事業者は英語学習プログラムの整備、強化を進めているが、現状では入試において民間英語検定試験の活用方針を明確にしていない大学も多く、あらゆる可能性への対応を模索する状況にあるという。英語のスピーキング学習については、指導者確保の課題も生じることから情報通信技術を活用した学習サービスの導入も進められている。

 矢野経済研究所は将来展望として、学習塾・予備校では少子化による市場縮小の影響で、限られた顧客層獲得のためのさらなる競合状況の激化、業界再編の進行が予想されるとしている。また、投資余力のある大手事業者は、「幼児教育」「英会話」「情操教育」「映像教育」「保育」「学童保育」「介護サービス」などの周辺サービスへの投資増加による事業領域拡大を推し進める動きをますます強めるものと予測している。

 調査結果はすべて、9月26日に発刊された「教育産業白書2018年版」で確認できる。

◆教育産業白書2018年版
発刊日:2018年9月26日(水)
体裁:A4判、932ページ
定価:15万円(税別)
《桑田あや》

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