全国初「歩きスマホ」防止条例制定…神奈川県大和市

 神奈川県大和市は、スマホは立ち止まって操作するという意識を浸透させるため、「歩きスマホの防止に関する条例」を制定する。施行は2020年7月1日から。大和市によると、歩きスマホ防止に特化した条例は全国初。公共の場所での歩きスマホを禁じており、罰則規定はない。

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 神奈川県大和市は、スマホは立ち止まって操作するという意識を浸透させるため、「歩きスマホの防止に関する条例」を制定する。施行は2020年7月1日から。大和市によると、歩きスマホ防止に特化した条例は全国初。公共の場所での歩きスマホを禁じており、罰則規定はない。

 スマートフォンの急激な普及に伴い、操作しながら歩く「歩きスマホ」が社会問題化。大和市が2020年1月に市内2か所で約6,000人を対象に実施した歩行状況調査によると、全体の約12%が歩きスマホをしていた。2019年5月には、歩きスマホをしていた人が負傷し、救急搬送された事例も発生。自動車や自転車の運転中の「ながらスマホ」は道路交通法の違反行為として規制対象となっているが、歩きスマホは注意喚起する根拠となる法律などがないことから、大和市では独自の条例制定を目指してきた。

 「大和市歩きスマホの防止に関する条例」では、歩きスマホについて「スマホ等の画面を注視しながら歩行すること」と定義。歩きスマホが、交通事故などを引き起こす可能性のある危険な行為であることに鑑み、「何人も、公共の場所において歩きスマホを行ってはならない」と規定している。

 公共の場所とは、市内の道路、駅前広場、公園、その他の公共の用に供される場所を指し、室内などは除く。条例の対象となるのは、市内に居住・在勤・在学、または市内で活動する者。スマートフォンのほか、携帯電話やタブレット端末、これらに類する物についても、画面を注視しながら歩行することは「歩きスマホ」の対象となる。

 条例では、公共の場所におけるスマホなどの操作は、他者の通行の妨げにならない場所で、立ち止まった状態で行うよう求めている。罰則規定は設けていない。

 条例は、2020年度大和市議会第2回定例会に提案され、6月25日に可決、成立した。大和市によると、歩きスマホの防止に特化した条例を制定するのは、全国初めて。7月1日から施行される。
《奥山直美》

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