物価上昇により「十分な食料が買えない」約9割…SCJ調査

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは2023年11月30日、「冬休み子供の食応援ボックス」申込者アンケートの結果を公表した。物価上昇の影響によって約9割の世帯で十分な食料が買えず、4人に1人が子供の食事の量を減らしているなど、物価上昇が子供の食に深刻な影響を及ぼしていることが明らかとなった。

生活・健康 保護者
「冬休み子供の食応援ボックス」申込みの理由
  • 「冬休み子供の食応援ボックス」申込みの理由
  • 子供が普段十分な量の食事がとれていると思うか
  • 昨年と比べ、物価上昇により子供の生活にマイナスの影響はあったか
  • (影響があったと回答)どのような影響があったか
  • 今年の冬、クリスマスプレゼントやお年玉を子供にあげる予定か

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは2023年11月30日、「冬休み子供の食応援ボックス」申込者アンケートの結果を公表した。物価上昇の影響によって約9割の世帯で十分な食料が買えず、4人に1人が子供の食事の量を減らしているなど、物価上昇が子供の食に深刻な影響を及ぼしていることが明らかとなった。

 「冬休み子供の食応援ボックス」は、子供の貧困問題解決への取組みの一環として、全国を対象に、経済的に困難な状況にある子育て世帯への長期休暇中の食支援として行っているもの。2023年10月30日から11月8日にかけて過去最多の6,743世帯が申込みを行った。アンケートは、経済的に困難な状況にある子供や子育て世帯の生活状況や必要とする支援を把握し、子供の貧困対策の推進に向けた政策提言などに生かすことを目的に、同ボックス申込時に実施した。

 同ボックス申込みの理由として、約9割の世帯が「物価上昇の影響により十分な食料を買うお金がない」と回答。また、4人に1人が「経済的な理由で、子どもの食事量を減らしている」と回答している。また、長期休暇中に昼食を十分な量とれていない子供は45.0%となっている。昨年同時期に比べ、97.3%の世帯で「物価上昇による子供の生活へのマイナスの影響がある」と回答しており、「影響がある」と回答した人のうち、約3割が「米・パンなどの主食を買う回数を減らした・買わなくなった」としている。

 また、53.7%の世帯が「子供にクリスマスプレゼントやお年玉をあげることが経済的にできない」と回答している。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、「周囲との格差が浮き彫りとなることで、子供自身の自己肯定感や自己有用感などの心理面への影響が懸念される」としている。

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは調査結果を受けて、真に子供の権利を保障するために、経済的支援や生活支援といった子供の貧困対策の拡充が図られるよう政府や関連省庁に求めていく。新入学時の私費負担を軽減するために新中学1年生、新高校1年生を対象に行っている給付金提供を2024年も継続し、「子供の食 応援ボックス」も実施する予定としている。

《中川和佳》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top