いまどき幼児は「ひも結び」や「箸使い」が苦手…生活体験実態調査

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【保護者の実態】子どもが生活技能を身につける際の接し方は?
  • 【保護者の実態】子どもが生活技能を身につける際の接し方は?
  • 【保護者の実態】家庭で手先を使った遊びを意識して行っているか?行っていない理由は?
  • 【教諭の実態】保育の中で「生活を豊かにするために、手先や指先を使った遊びをする」ことを意識して行っているか?意識して行っていない理由は?
  • 【教諭の実態】手先や指先を使った動作はどのようなことで経験を広げられると考えるか?
  • 【教諭と保護者の意識1】幼児にとっての豊かな体験を考える時に、大切にしたいことは?
  • 【教諭と保護者の意識1】幼児期の豊かな生活体験は何につながると考えるか?
  • 【教諭と保護者の意識2】園から保護者への発信は?
  • 【教諭と保護者の意識2】園から保護者への発信の効果的な内容は?保護者は認識した効果的な内容は?
 全国国公立幼稚園・こども園長会が行った調査によると、「ひも結び」や「箸使い」といった手先を使う技能を苦手とする幼児が多い傾向にあることが明らかになった。反対に、身についている生活技能で多かったのは「水道の蛇口をひねる」や「手をこすって洗う」だった。

 全国国公立幼稚園・こども園長会では、遊びを通した親子の触れ合いを広げ、幼児の生活体験を豊かなものにすることを目的とした調査研究事業を行っている。事業の一環で行われた「子どもの生活体験に関する実態調査と意識についての調査」は、平成27年10月~11月に、保護者と教諭を対象に実施。保護者2,129名、教諭665名から回答を得た。

 調査によると、子どもたちは鬼ごっこや縄跳びなど全身を動かした遊びのほか、工作やお絵かきなど手先を使った遊びを好んでいることがわかった。子どもの生活技能については、「水道の蛇口をひねる」「手をこすって洗う」など手を使う技能が身についていると認識している教諭や保護者は多いが、「ひもを結ぶ」や「箸を正しく持って使う」「ふきんを絞る」など手先を使う技能が身についていないと認識している保護者や教諭が多かった。

 保護者に「家庭で手先を使った遊びを意識して行っているか」を聞いたところ、「行っている」と回答した人は33.3%。「あまり行っていない」「行っていない」と回答した人は62.2%と半数を超えた。手先を使った遊びを行っていない理由としては、「教え方がわからない」や「子どもが取り組まない」などがあげられた。

 一方で、教諭に「保育の中で手先や指先を使った遊びを意識して行っているか」を聞くと、71.7%が「行っている」と回答し、意識的に手先や指先を使った遊びを取り入れていることがわかった。具体的には、「当番活動や日常の生活の中で、意図的にタオルやハンカチをたたんだり絞ったりする活動を毎日取り入れる」「製作遊び」「意図的に遊びの中で細かい遊具やものを繰り返し使って遊べる環境をつくる」などの活動が取り入れられているようだ。

 「幼児にとっての豊かな体験を考える時に大切にしたいこと」は教諭・保護者とも、「親子で戸外にて体を動かして遊んだり、散歩をしたりする」「親子でよく会話をする」という回答が多かった。幼児期の豊かな生活体験は、「自分のことが自分でできることに自信をもち、学ぶ意欲が向上し自己肯定感が育まれる」や「物事への興味関心が広がり、想像力を育む」ことにつながると考えられているようす。

 園から保護者への発信を行っているかを聞いた質問では、「積極的に働きかけている」「働きかけている」という回答は54.1%だったが、「あまり働きかけていない」「働きかけていない」という回答も38.5%あり、少なくはなかった。教諭に、園から保護者への効果的な発信の内容を聞くと「面談」が68.5%もっとも多く、ついで「保育参観で親子製作」の64.8%だった。一方、保護者が認識した園からの効果的な発信の内容は、「園で行った製作などを持ち帰る」が67.7%と最多となり、「保育参観で親子製作」は49.9%、「面談」は14.4%と保護者と教諭の認識に差が見られた。

 このような調査結果を踏まえて、幼稚園・こども園や家庭、地域において、子どもの生活体験を豊かにしていくために、全国国公立幼稚園・こども園長会は、「体や手先の多様な動きが経験できる豊かな遊びをしよう」「生活体験を豊かにすることの大切さを保護者と共有し、親子で関わりを広げよう」「地域との関わりを広げ、子どもたちに豊かな生活体験ができるようにしよう」と提言している。
《外岡紘代》

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