女性科学者少ない理由、7割は「復職難しい」…内閣府世論調査

 女性科学者が少ない理由を「出産や育児による研究の中断からの復職は難しい」と考える人が68.2%にのぼることが2017年11月27日、内閣府が公表した「科学技術と社会に関する世論調査」の結果から明らかになった。対策として、研究継続や再就職への支援などがあがった。

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女性科学者の割合が低い理由
  • 女性科学者の割合が低い理由
  • 女性科学者を増やすために力を入れること
  • 理科や数学の授業は、科学的センスを育てるのに役立っている
  • 科学技術が貢献すべき分野
  • 科学技術の発展のために必要な政策
 女性科学者が少ない理由を「出産や育児による研究の中断からの復職は難しい」と考える人が68.2%にのぼることが2017年11月27日、内閣府が公表した「科学技術と社会に関する世論調査」の結果から明らかになった。対策として、研究継続や再就職への支援などがあがった。

 「科学技術と社会に関する世論調査」は2017年9月14日~24日、全国18歳以上の日本国籍を有する3,000人を対象に個別面接聴取法により実施。1,765人から回答を得た。

 日本では、科学者に占める女性の割合が特に低い水準にある。調査でその理由をたずねたところ、「出産や育児による研究の中断からの復職は難しいと思うから」をあげた人がもっとも多く、68.2%にのぼった。ついで、「科学者の職場では、女性は孤立・苦労しそうだから」36.8%、「女性は理科、数学、科学などに向かないというイメージがあるから」25.1%であった。

 日本の科学者や技術者に占める女性の割合を増やすため、国が力を入れていくべきことでは、「子育てや介護中であっても研究が続けられるよう支援する」が69.8%と最多。「子育てや介護などでいったん辞めた科学者や技術者の再就職を支援する」(59.8%)、「従来、女性が少なかった分野への女性の進出を支援する」(43.5%)、「大学や研究開発機関などの教授や管理職への女性の登用を支援する」(40.8%)との回答も4割を超えた。

 このほか、「学校での理科や数学の授業は、生徒の科学的センスを育てるのに役立っている」という意見については、47.9%が「そう思わない」と回答。「そう思う」43.1%を上回った。

 「科学技術が今後貢献すべき分野」は、「地球環境の保全に関する分野」(61.8%)、「生命に関する科学技術や医療分野」(61.4%)、「資源・エネルギーの開発や貯蔵に関する分野」(57.7%)、「食料(農林水産物)分野」(42.6%)、「防災、防犯などの社会の安全・安心に関する分野」(41.2%)の順に多かった。

 「科学技術の発展のために必要な施策」では、「若手の科学者や技術者の育成」が71.0%に達した。「研究や開発資金の支援」(59.5%)や「研究開発成果の事業化や実用化の推進」(43.0%)などの回答も多く、「学生の大学授業料の減免や生活費の補助」という回答も34.6%あった。
《奥山直美》

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