熱中症の救急搬送9,956人、最多は大阪府752人…総務省速報

 2018年7月15日までの1週間に熱中症で救急搬送された人が全国で9,956人にのぼることが、総務省消防庁による速報値より明らかになった。都道府県別では、大阪府が752人と最多で、東京都704人、愛知県687人と続いた。搬送者のうち、12人が死亡した。

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都道府県別熱中症による救急搬送人員数(前年同時期との比較)
  • 都道府県別熱中症による救急搬送人員数(前年同時期との比較)
  • 年齢区分
  • 初診時における傷病程度
  • 発生場所ごとの項目
  • 熱中症による救急搬送状況(週別推移)
  • 熱中症予防啓発ポスター
  • 熱中症に関する子どもの特徴と注意点(熱中症対策リーフレットより)
  • 熱中症の応急手当(熱中症対策リーフレットより)
 2018年7月15日までの1週間に熱中症で救急搬送された人が全国で9,956人にのぼることが、総務省消防庁による速報値より明らかになった。都道府県別では、大阪府が752人と最多で、東京都704人、愛知県687人と続いた。搬送者のうち、12人が死亡した。

 総務省消防庁が発表した速報値によると、7月9日から15日までの1週間、熱中症により救急搬送された人は前年同期比2,542人増の9,956人。前週(7月2日~8日)の2,722人と比較すると、3.7倍に急増している。

 年齢区分別では、「高齢者(65歳以上)」が46.1%にのぼったほか、子どもの救急搬送は「少年(7歳以上18歳未満)」1,549人(15.6%)、「乳幼児(生後28日以上7歳未満)」83人(0.8%)と2割近くを占めている。

 都道府県別では、「大阪府」の752人がもっとも多く、「東京都」704人、「愛知県」687人、「兵庫県」576人、「埼玉県」575人、「福岡県」540人、「千葉県」425人、「神奈川県」395人と続いている。

 初診時の傷病程度は、「軽症」66.0%、入院診療を要する「中等症」31.3%、3週間以上の長期入院加療を必要とする「重症」1.9%。死亡者は、熊本県2人、富山県、静岡県、滋賀県、大阪府、兵庫県、鳥取県、岡山県、広島県、佐賀県、大分県が各1人の計12人だった。

 発生場所別では、「住居」が34.5%と最多。このほか、競技場や野外コンサート会場など「公衆(屋外)」17.1%、「道路」13.3%、「仕事場(道路工事現場、作業場など)」10.4%、劇場やコンサート会場など「公衆(屋内)」8.3%、学校など「教育機関」7.4%など。

 消防庁によると、熱中症とは温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、体のだるさ、ひどいときにはけいれんや意識の異常などを起こす症状のこと。室温や湿度が高い場合には、家の中でじっとしていても熱中症になる場合があるため注意が必要だ。

 熱中症予防のポイントには、「室温28度を超えないようエアコンや扇風機を活用」「こまめな水分補給」「適度な休憩」「体をしめつけない涼しい服装」「日よけ対策」「日ごろから栄養バランスのよい食事と体力づくり」などがあげられている。

 子どもは地面の照り返しによって高い温度にさらされやすいほか、汗腺など体温調節機能が未熟なため、熱中症にかかりやすい。保護者は、子どもの顔色や汗のかき方を十分に観察し、水分補給や休憩をとらせ、外出時は熱のこもりやすい服を避けて帽子をかぶせることなどが大切だという。
《奥山直美》

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