東京都のSNS教育相談…中学生から多く「友人関係」最多

 東京都教育委員会は2020年10月22日、2019年と2020度上半期におけるSNSを活用した教育相談の実施状況を公表した。相談件数は2019年度2,775件、2020年度上半期1,800件。学校種別では中学校が半数以上、男女別では女子が7割にのぼり、「友人関係」の相談が最多だった。

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2019年度の実施状況
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 東京都教育委員会は2020年10月22日、2019年と2020度上半期におけるSNSを活用した教育相談の実施状況を公表した。相談件数は2019年度2,775件、2020年度上半期1,800件。学校種別では中学校が半数以上、男女別では女子が7割にのぼり、「友人関係」の相談が最多だった。

 東京都は2019年度から、都内国公私立中学生・高校生を対象に無料通話・メールアプリ(LINE)を活用したチャットによるSNS教育相談窓口を通年で設置している。今回、2019年度と2020年度上半期の実施状況を取りまとめ、公表した。

 2019年度は、相談件数2,775件、1日平均の相談件数7.6件、1件あたりの平均相談時間42分。相談回数は、「1回」69.7%、「複数回」30.3%。校種別では、「中学校」が53.5%にのぼり、ついで「高校・高専」30.3%。中高ともに1年生からの相談がもっとも多かった。男女別では、「女子」が71.6%を占めた。相談内容は「友人関係(いじめを除く)」が最多の668件。時間帯別アクセス状況では、「午後5時台」がもっとも多かった。

 2020年度は、2019年度の事業内容に加え、相談の質や利便性の向上を図る観点から、新たに「SNS教育相談支援員」を配置し、都教育相談センターが運営。5月12日から、相談時間外にアクセスした相談者に対し、相談時間になってから相談を促すメッセージを配信する折返し発信機能を追加。6月1日からは、相談終了時に相談満足度などを把握するアンケートを配信(回答は任意)している。

 2020年度上半期は、相談件数1,800件、1日平均の相談件数9.8件、1件あたりの平均相談時間39分。相談回数は、「1回」69.2%、「複数回」30.8%。校種別では、「中学校」53.8%、「高校・高専」37.2%など。男女別では、「女子」76.4%、「男子」15.4%、「不明」8.2%。相談内容は「友人関係(いじめを除く)」434件、「学業不振」187件、「家族関係」174件、「進路」105件など。時間帯別アクセス状況では、「午後5時台」が598人にのぼった。

 アンケート結果によると、相談満足度は相談してよかったと「思った」「やや思った」が92%。SNS教育相談窓口の認知方法は、「学校から配られたカードやポスター」が70%を占めた。相談時間帯は、「このままでよい」が36%ともっとも多かったが、「午後10時~11時に利用したい」は24%、「午後4時~5時に利用したい」は19%あった。

 2020年度の教育相談では、SNS教育相談支援員が相談内容を心理系職員と共に分析し、関係機関に通告または情報提供を行った。関係機関へつないだ件数は、警察通報1件、虐待通告5件、情報提供2件であった。また、相談を促す折返し発信は、878件実施し、1日平均は6.2件であった。
《奥山直美》

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