投稿は「いじめ」が最多29.4%…スクールサイン

 アディッシュは2023年7月11日、子供がいじめや悩みごとを学校に連絡できるいじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」の2022年度の集計結果を発表した。「いじめ」の割合が29.4%ともっとも高く、前年度より11.1ポイント増加したことがわかった。

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いじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」
  • いじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」
  • 「スクールサイン」に寄せられた声とその割合 (c) adish. Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 「いじめ」と「いじめを含む投稿全体」本人/第三者連絡の内訳 (c) adish. Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 被害者名・加害者名記載の有無内訳 (c) adish. Co., Ltd. All Rights Reserved.
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  • 曜日別/時間帯別投稿件数・投稿割合の内訳 (c) adish. Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 時間帯別投稿件数・投稿割合(2021年度/2022年度) (c) adish. Co., Ltd. All Rights Reserved.

 アディッシュは2023年7月11日、子供がいじめや悩みごとを学校に連絡できるいじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」の2022年度の集計結果を発表した。「いじめ」の割合が29.4%ともっとも高く、前年度より11.1ポイント増加したことがわかった。

 いじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」は、”ひとりで悩む仲間をひとりでも助けるために” をコンセプトに、小学生から高校生まで活用されている、いつでも匿名でいじめの目撃情報などを連絡できるWebサイト。全国の小中高400校以上(2022年4月末現在)に提供している。

 調査は、2022年度に「スクールサイン」を契約していた全国の公立私立の小学校・中学校・高等学校に所属する児童・生徒からの投稿1,861件を対象に、2022年4月1日~2023年3月31日に実施。

 「スクールサイン」に寄せられた声でもっとも多かった内容は「いじめ」(29.4%)で、ついで「学校や教員への苦情・不満」(26.7%)、「生活態度」(17.1%)と続いた。「いじめ」の割合は、前年度(18.3%)から11.1ポイント増加し、2022年度の訴えの中でもっとも高い増加率となった。寄せられた声の中には、対面でのいじめやトラブル、暴力などの声があり、コロナ渦中と比べ、登校が再開し、生徒同士が対面する機会が増えたことが要因と考えられる。

 「学校や教員への不満・苦情」は26.7%で、前年度から2.2ポイント増加。髪型や服装を極端に指定する校則への不満や、教員のマスク未着用への不安な声が目立った。男子生徒から、更衣室がないことや水着で上半身を出すことへの戸惑い、LGBTQへの配慮を希望する声もあがった。3番目に多かった「生活態度」(17.1%)については、校則に違反している生徒への言及や、SNS上の不適切画像に関する内容が寄せられた。

 また、「いじめ」における被害者本人による投稿割合は34.3%と前年度から8.7ポイント増加。GIGAスクール構想による学校現場での端末普及により、端末にスクールサインが導入され、校内ネットワークからの投稿が容易になったことが投稿数増加につながったと思われるという。「被害者名なし・加害者名あり」の割合は40%と、前年度に続き最多となった。「被害者名あり・加害者名あり」は20%で前年度から6ポイント増加し、「被害者名あり・加害者名なし」は20%で前年度から6ポイント減少している。

 生命に関わるような重大事案の投稿(緊急度高)は0.1%と、前年度より1.8ポイント減少。コロナ禍で居場所を見つけられずにいた児童・生徒が、対面授業に移行したことにより新たな居場所を見つけられたことが考えられるという。曜日別の投稿は、月曜日(15.9%)と火曜日(23.3%)が、合計で39.2%と約4割を占める。平日終盤である木曜日(18.3%)と金曜日(18.4%)に投稿が多くあった前年度とは異なり、週序盤の投稿が増えた結果となった。週末にリフレッシュした後の登校で、一定のストレスがかかっていることが推察された。

 「スクールサイン」では、契約者専用のWebページから、コミュニケーションアプリや非公開設定のソーシャルメディアなど外から見えないところで起こっているネットいじめなどの連絡を受け付け、その情報を学校・自治体(教育委員会)に届けている。

《田中志実》

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