【共通テスト2024】数学1の分析…東進・河合塾・データネット・代ゼミ速報まとめ

 2024年1月14日、2024年度大学入学共通テスト2日目「数学1」が終了した。東進、河合塾、データネット(ベネッセ・駿台)、代ゼミより提供を受け、数学1(数学I/数学I・数学A)の共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

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 2024年1月14日、2024年度(令和6年度)大学入学共通テスト(旧センター試験、以下、共通テスト)2日目「数学1」が終了した。東進、河合塾、データネット(ベネッセ・駿台)、代ゼミより提供を受け、数学1(数学I/数学I・数学A)の共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

数学I

東進

 第1問〔1〕数と式は、無理数の値を評価する問題である。簡単な評価ではわからない精密な数値を調べる方法を誘導している。〔2〕集合と命題は、8つの整数からなる集合を考え、その部分集合の性質を調べる問題である。要素の数が少ないことから、数を書き出して考えればよい。
 第2問は、図形と計量の問題。〔1〕は外接円の半径を利用するので、正弦定理を使う。後半の問題は、余弦定理を使って三角形が一通りに決まることの意味を考えて解く必要がある。〔2〕は、水平な地面に垂直に立っている電柱の高さとその影の長さ、さらに太陽高度との関係を三角比を利用して求める問題である。三角比の表を利用して計算することから、細かい計算に注意が必要である。
 第3問は、2次関数の問題。〔1〕は、2次関数のグラフの問題であり、係数の変化により、グラフがどのように変化するのかを捉える基本的な問題である。〔2〕は、座標平面上の動点を頂点の1つとする三角形の面積の最大値・最小値問題である。自分でパラメータを設定しなくてはならない点がやや難しい。
 第4問は、データの分析の問題で、マラソンの記録を利用したデータに関する問題である。2つの期間の上位50人のベストタイムを比較し分析を行う。ヒストグラムや箱ひげ図の読み取りもあり、標準的な内容になっている。ただし、後半には別の視点(計算方法)によりデータを比較する問題もあり、目新しい。難易度は昨年並み。

データネット

 第3問と第4問の分野の順序は昨年と変更。第2問は、水平面と斜面にできる電柱の影の長さについて考察する現実事象の問題が、第3問は、グラフ表示ソフトを用いた2次関数の問題が出題された。全体の難易は昨年並。

数学I・数学A

東進

 必答問題が2題、選択問題3題から2題の選択、合計で4題を解答する形は、昨年度までの形式と同様である。全体の分量は昨年度と同程度である。一部の問題を除いて前半の設問が後半の問題の丁寧な誘導、ヒントになっていることが多い。ただし、最後の設問のレベルは昨年より高いものもあり、全体の難易度は昨年並みである。会話文は問題の導入、またはヒントを提示するにとどまった。また、今年度は昨年度に引き続き、集合と論理に関する出題がされなかった。
 第1問〔1〕「数と式」は無理数の値を評価する問題である。〔2〕「図形と計量」は水平な地面に垂直に立っている電柱の高さとその影の長さ、さらに太陽高度との関係を、三角比を利用して求める問題になっている。第2問〔1〕「2次関数」は、三角形の面積の最大値・最小値を調べる問題である。〔2〕「データの分析」は、マラソンの記録を利用したデータの分析の問題である。後半には別の計算方法によりデータを比較する問題があり、目新しい。第3問「場合の数と確率」は、箱の中のカードを取り出し、確認して戻す試行を繰り返し、すべてのカードが出揃う確率を求める問題である。他の選択問題と比べ分量が多いものの、誘導は丁寧である。第4問「整数の性質」は、n進数で表示されるタイマーを題材とした問題である。複数の条件での比較や別解の検討などはみられなかった。第5問「図形の性質」は、平面上の星形の図形に関し、線分比、長さ、図形の位置関係などを問う問題である。昨年度は作図を題材としていたが、今年度は点の位置の考察がおもな問題である。

河合塾

 大問数は5題。第1・2問は数学Iの分野で必答問題、第3~5問は数学Aの分野で2題を選択する形式であり、昨年と同様であった。また、第2問の〔1〕は2次関数、〔1〕はデータの分析が出題され、一昨年までの出題順に戻った。文章量は昨年と比べてやや増えた。丁寧な誘導がついた問題を解かせたあとで、設定を少し変えたものを考えさせる問題が例年より多く出題された。数学Iの分野については、昨年に続き集合と命題は出題されなかった。
 日常を題材とする問題として、第1問〔2〕で電柱の高さや影の長さについて測量する問題が出題された。また、第2問〔1〕で点の移動にともなって変化する三角形の面積を、2次関数としてとらえて考察する融合問題が出題された。いずれも問われている内容自体は典型的である。第4問はn進数を表示するタイマーを題材にした問題であった。見慣れない出題のため、戸惑った受験生が多かったかもしれない。第3問、第5問は文章量こそ多いものの、誘導にうまく乗ることができれば解きやすかったであろう。

データネット

 第1問〔2〕「図形と計量」では、太陽高度などを利用して、電柱の高さやその影の長さを求める現実事象の問題が出題された。第3問「場合の数と確率」は、昨年に引き続き、前の設問の求め方などを利用して解いていく問題が出題された。今年も導入部分は取り組みやすい問題が多く、難易は昨年並。

代ゼミ

 第1問〔1〕は、近年の傾向通りセンター試験に類似した出題である。第1問〔2〕は、三角比の問題であるが、影が坂に落ちているところが少し考えさせられる。第2問〔1〕は台形の辺上を動く2点で定まる三角形の面積を考える問題であるが、2018年に実施された試行調査に類似の問題である。選択問題である第3問以降は、昨年よりもさらに解きやすくなったという印象である。受験生の実力が素直に反映されるセットと思われる。

 情報は、1月14日午後10時時点のもの。今後、各予備校のWebサイト上で情報が追加修正されることもある。

 リセマムで公開している問題分析および難易度、解答速報に関する記事は下記のとおり。

<1日目>
>> 4予備校の【地理歴史・公民の問題分析】はこちら
>> 4予備校の【国語の問題分析】はこちら
>> 4予備校の【英語の問題分析】はこちら
>> 1日目の【難易度分析】はこちら
>> 1日目の試験【問題・解答】はこちら



<2日目>
>> 4予備校の【理科1の問題分析】はこちら
>> 4予備校の【数学2の問題分析】はこちら
>> 4予備校の【理科2の問題分析】はこちら
>> 2日目の【難易度分析】はこちら
>> 2日目の【問題・解答】はこちら



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《奥山直美》

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