達成度テスト、高校の7割以上が反対…センター試験存続は7割が支持

教育・受験 受験

達成度テスト導入への賛否
  • 達成度テスト導入への賛否
  • 現行の大学入試センター試験は変えるべきか
  • 現行入試での1点刻みの弊害は感じるか
  • 段階的評価への賛否
  • 発展レベルは、どのような入試で使用されるべきか
  • 基礎レベルを推薦やAOで利用することについて
  • 「基礎レベル」と「発展レベル」の2種類のテストから成り立つことについて
  • 達成テスト導入による高校生の学習意欲の変化
 大学入試センター試験に代わり、達成度テスト(仮称)が導入されることについて、高校の7割以上が「反対」であることが、進路情報研究センターが実施した調査報告書より明らかになった。現行の大学入試センター試験について「このままでよい」という回答も7割に上った。

 調査は2~3月、全国から2,043校の高校を抽出してFAXで質問紙を送付。各校の進路指導部の教員を対象に行い、196校から回答を得た。

 達成度テストの導入については、「反対」が73%、「賛成」が27%。普通科にしぼると、「反対」は78%に上った。自由回答欄に出現したキーワードを機械的にカウントした分析によると、反対意見には「混乱」「複数」「負担」「複雑・煩雑」などの言葉が多かったという。

 「現行の大学入試センター試験は変えるべきか」という質問に対しては、7割が「このままでよい」と回答。教育再生実行会議の提言で指摘された「現行入試での1点刻みの弊害」については、86%が「あまり感じない」と答えた。発展レベルの段階的評価には、68%が「反対」と回答し、代替案には「従来のような1点刻みの判定」を支持する声が高かった。

 「達成度テストの発展レベルは、どのような入試で使用されるべきか」という質問に対しては、「国公立1次試験」(67%)、「私立大のセンター試験利用の代替」(59%)が高い割合を示し、「推薦・AO入試」という回答も38%あった。基礎レベルを推薦入試やAO入試に利用することについては、6割が「利用した方がよい」と回答した。

 達成度テストが「基礎レベル」と「発展レベル」の2種類のテストから成り立つことについては、「1種類が望ましい」(53%)と「2種類でよい」(47%)とに意見が分かれた。

 達成度テスト導入による高校生の学習意欲に対しては、「変わらない」が7割を占め、「学習意欲が向上する」は3割にとどまった。教育再生実行会議で提言された「知識・技能の活用力、思考力・判断力・表現力も含めた幅広い学力を把握」に関しては、6割が「不可能」とした。

 テストの複数回実施は、基礎レベル、発展レベルともに「可能」が6割弱、「不可能」が4割強。「不可能」とした割合は、専門学科(総合を含む)より普通科の方が高かった。テストの複数回実施による影響については、「教員負担」(90%)、「生徒負担」(79%)、「行事」(65%)、「部活動」(58%)の順に懸念する声が多かった。複数回実施により、出題範囲や難易などの公平性が保たれるかについては、「保たれない」が69%を占めた。

 テストの教科については、英語(外国語)・数学・国語・理科・地理歴史・公民という「5(6)教科」の希望が高く、基礎レベルで53%、発展レベルでは81%に上った。

 今後の中教審での審議が高校現場の声を反映させる仕組みになっているかについては、「期待できない」が94%に達した。試作問題や実施細目まで含めた望ましい発表時期については、「5年前」が半数を占め、長い準備期間が必要という意見が多かった。

 調査結果を受けて、筑波大学副学長の清水一彦教授は「いかなる制度も40年サイクルで制度疲労を生じるという観点から見れば、新たな大学入試制度を構築する時期に来ている。現場の強い反対は真摯に受けとめ、拙速だけは避けるべきだ。内容によっては見送るなど、何らかの接点を見出して実施されるべき」としている。
《奥山直美》

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