留学先の学校はこう選ぶ…ニュージーランド留学例で学ぶチェックポイント

 一口に「留学」「海外進学」と言っても、保護者の不安の種は尽きない。海外に飛び出した子どもは一体どのような生活を送っているのだろうか。「教育の質」と「安全性」に定評がある、ニュージーランドの中学校・高校を覗いてみた。

教育・受験 中学生
スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真は日本語教室。外国語として日本語を取得する生徒が利用するそうだ。桃のオブジェはKurtisさんのお母さまの手作り
  • スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真は日本語教室。外国語として日本語を取得する生徒が利用するそうだ。桃のオブジェはKurtisさんのお母さまの手作り
  • スポッツウッド・カレッジ校長のMark Bowden氏。取材陣も「家族の一員」を迎えるかのようにあたたかく受け入れてくれた
  • スポッツウッド・カレッジで留学生サポートと行っているKurtisさん(左)、Cascadeさん(中)、Hikaruさん(右)。3人ともニュージーランドの生徒だ
  • スポッツウッド・カレッジで留学生サポートと行っているKurtisさん(左)とCascadeさん(右)。制服についているバッジは大変名誉なこと。所属組織や役柄、学年や成績を表す目印になる
  • スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真は図書館
  • スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真は校内の案内板。とっても広い
  • スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真はものづくり教室。3Dプリンターが整備してあった
  • スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真は生徒や来客を迎える学校エントランス内
 IT技術や物流の発達により、近年ますます加速するグローバル化の波。子どもたちの進路決定にも影響を及ぼしており、不確実性の高い「これから」を切り拓けるようにと、若者に海外進学や留学という選択肢を与えようとする気運が高まっている。

 2020年の学習指導要領改定の背景には、こういった不透明性の高い社会、いわゆる“VUCA時代
(※)
”を切り拓く子どもを育成したいとする国の願いが込められており、将来世界で活躍できるグローバル人材を育成しようとする動きは2013年10月から始まった官民協働の留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」にもよく現れている。
※VUCA…Volatility:変動、Uncertainty:不確実、Complexity:複雑、Ambiguity:曖昧の頭文字を合わせた造語


 しかし、一口に「留学」「海外進学」と言っても、保護者の不安の種は尽きない。特に、子どもの留学について保護者が考慮すべき点は「安全性」と「留学費」、そして「教育の質」の3つ。いずれも及第点と思える情報や環境が整って初めて送り出す気構えができるが、子どもの留学についてさらに深く考えるなら、参考としたいのは先輩生徒・学生のリアルライフだろう。

教室の質×安全性、ニュージーランド学校事情



 親の気持ちも慮りながら、海外に飛び出した子どもは一体どのような生活を送っているのだろうか。また、海外の学校ならではの学びやフォロー体制にはどういったものがあるのか。「教育の質」と「安全性」に定評がある、ニュージーランドの中学校・高校を覗いてみた。留学を決める際に考慮したい点を「留学チェックポイント」とし、あわせて紹介する。どういった学校が、どのような対応をしているかを調査する参考としていただければ幸いだ。

Spotswood College(スポッツウッド・カレッジ)


留学チェックポイント:学校の留学生サポート体制とホストファミリーの選び方

 子どもに対する接し方や教育の施し方は国や地域、個人の感覚によって大きく異なる。よって、日本の学校と比較して海外の学校の先生は淡白であるとか、ホームステイ先のファミリーが冷たかった、どこにも連れて行ってくれなかった、など、帰国した留学生から“がっかりエピソード”が聞こえてくることは少なくない。

 期待と現実のミスマッチを防ぐため、ニュージーランドの北島、ニュー・プリマス西部郊外に位置する共学校、Spotswood College(スポッツウッド・カレッジ)は、日本人留学生に対するケアとホストファミリー・留学生間のマッチングに余念がない。

スポッツウッド・カレッジ 校内のようす。写真は生徒や来客を迎える学校エントランス内
写真:壁面にある「ETU」の文字はスポッツウッド・カレッジの校訓。教育、参加、結束を表す

 スポッツウッド・カレッジは、自然豊かなニュー・プリマスのやわらかな空気に包まれた、アットホームな環境で勉学に励むことができる公立校。3Dプリンターを備えたITものづくり教室などの専科教室や日本語教室、テニスコートやラグビーコートなど、学校設備も過不足なく、さらにはニュージーランドの公用語であるマオリ語やマオリ文化にも親しむ機会が多く提供されている。

 留学生が一刻も早く学校生活に馴染めるよう、留学生の生活をサポートするための生徒組織が整っている点も同校の特長のひとつ。生徒主導の留学生担当機関が組織されており、留学生は入学初日から在学生にあたたかく迎え入れられる。“家族の一員”として、学外アクティビティやクラス活動などに溶け込むよう、積極的な勧誘を受けるのだ。

スポッツウッド・カレッジで留学生サポートと行っているKurtisさん(左)、Cascadeさん(中)、Hikaruさん(右)。3人ともニュージーランドの生徒だ
写真:留学生のサポートを行うKurtisさん(左)、Cascadeさん(中)、Hikaruさん(右)

 留学生サポートを担当する生徒のひとりであるCascadeさんは「留学生は私の家族のようです」と微笑み、留学生との交流を通じてお互いの国や文化への理解を深めることができて嬉しいと語る。同じく留学生サポートを数年に渡り担当しているKurtisさんは「家族(留学生)が卒業する時は、嬉しいけど、離れてしまうので寂しく、複雑な気持ちです」とコメント。「やっと馴染んできた時にお別れするのが辛いので、留学生とはどんどん交流するようにしています」と、ホスピタリティ溢れる笑顔を見せた。

 さらに、同校は生徒によるサポートだけでなく、学校は日本人留学生のため、日本人の留学アドバイザー(教諭)を2名配置している。しかし、学校での生活が充実したものでも、帰宅してからの生活を支えるのは寮生との関係やホストファミリーとの関係性が良くなければ、留学の魅力は半減してしまう。

 そこで、スポッツウッド・カレッジは新しくやってくる留学生に対し、趣味やアクティビティ、好き嫌いに至るまで、事細かなプロフィール調査書を用意し、留学生とホストファミリーの選定にはじっくりと時間をかけているという。良質なマッチングを謳う学校は多々あるが、ホストファミリーの選定には「アナログで非効率的であったとしても、いかに時間をかけて向き合っているか」という点をチェックするとよいだろう。

 なお、スポッツウッド・カレッジのあるタラナキエリアでは「Taranaki Japanese Friendship Community(タラナキジャパニーズフレンドシップコミュニティ)」という、43世帯のホストファミリーが参加する地域コミュニティも形成されている。留学支援団体「Study in Taranaki(スタディインタラナキ)」を中心とした留学生サポート体制も整っており、日本人留学生に対する地域住民の理解も深い。地域・学校・ホストファミリーという、地域が一丸となった日本人留学生の受入れ体制の有無も、留学生に対する寛容さの現れと取れそうだ。

New Plymouth Boys' High School(ニュープリマス・ボーイズ・ハイスクール)


留学チェックポイント:その学校で学ぶ意味

 スポッツウッド・カレッジと同じ公立校で、ニュー・プリマスに位置する男子校である、New Plymouth Boys' High School(ニュープリマス・ボーイズ・ハイスクール)。新校長のPaul Veric(cはアクサン付き)氏による教育がスタートしたのは2015年からのこと。「BE THE EXAMPLE(模範であれ、前例になれ)」を校訓に掲げ、ニュージーランド国内でも歴史ある男子校としてますますの躍進を見せている。

ニュープリマス・ボーイズ・ハイスクールのようす
写真:ニュープリマス・ボーイズ・ハイスクールのようす

 留学となると、忘れがちなのが「なぜその学校に留学するのか」という視点ではないだろうか。教育制度も校風も異なる海外の学校選びは容易ではないが、国やエリアという大枠だけではなく、その学校でなければならない確固たる理由を追求することも忘れてはいけない。

 ニュープリマス・ボーイズ・ハイスクールは、そういった要望に応える一校だ。約16ヘクタールある広大な学校敷地内には、校舎のほかに寮やラグビー場、サッカー場、クリケット場のほか、テニスコートや温水プール、ジム施設も完備した体育館、マオリ語で「集会所」を表す「マラエ」という文化教室、理科で利用する畑(!)など、生徒の多様な探究心を伸長する施設が整っている。

 特筆に値するのは、「Kiwi×マオリ×他国からの留学生」という、ニュージーランド留学ならではのミニ・コミュニティ内で成長できるという点(Kiwiはニュージーランド人を表す愛称)。2017年3月時点での日本人留学生は2名しかいないことから、異文化や共生社会への理解を深めると同時に、自分の力量を試し、独力で何ができるかを挑戦するのにうってつけの場所である。

ニュープリマス・ボーイズ・ハイスクールの生徒が「スクールハカ(校歌に値するもの)」含む3つのハカを披露してくれた。真ん中は成績優秀なMikeさん。ハカのリーダーを務める
写真:取材陣を「ハカ」で歓迎してくれた生徒たち。ハカにはすべて意味がある

 同校は精力的なスポーツ指導にも定評があり、ニュージーランドのラグビーナショナルチーム「All Blacks(オールブラックス)」のキャプテンを務めたReuben David Thorne(ルーベン・ソーン)氏を輩出した学校としても有名だ。ニュージーランド国内ではラグビー強豪校として広く認知されており、選手生徒らの技能はもちろん、全校生徒によるマオリの伝統舞踊「ハカ」に基づく応援や「スクールハカ(校歌に値するもの)」の熱気はまさに、圧巻の一言。思春期という分岐地点にありながら、男性として強くたくましく、何かに夢中になることができる―。そんな、才気豊かな生徒が集まる学校だ。集まる生徒のようすや校風は、子どもにあった留学先を考えるうえでチェックポイントのひとつとして掲げるべき項目に思える。

Scots College(スコッツ・カレッジ)


留学チェックポイント:国際バカロレア(IB)認定校

 国際バカロレア」とは、ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラム。総合的な教育プログラム「国際バカロレアIB:International Baccalaureate)」は対象年齢別に4つのプログラム(PYP、MYP、DP、CP)を提供している。そのうち16歳から19歳を対象としたディプロマ・プログラム(DP)では、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験で所定の成績を収めた生徒に対し、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保する

 国内では東北大学、筑波大学、東京大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、慶應義塾大学、早稲田大学などが国際バカロレアを活用した大学入試を行っているほか(平成28年度入試実績)、ハーバード大学、コロンビア大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学など、世界に名だたる名門大学が国際バカロレアを修了した生徒への入学門戸を開いている。

国際バカロレアで選ぶ留学先



 しかし、国内で国際バカロレア(IB)認定校から進学先を選ぶとなると、まだまだ選択肢が狭いのが現状だろう。文部科学省によると、DPを提供している国内の学校数は33校のみ(平成29年10月1日時点)。留学先を選ぶ際には、この「国際バカロレア(IB)認定校かどうか」という点を基準にしてみるのもよいだろう

NCEAと国際バカロレア(IB)DP課程の両方に対応



 ニュージーランドの首都である、北島のウェリントンに位置する小中高一貫の私立男子校、Scots College(スコッツ・カレッジ)も国際バカロレア(IB)認定校のひとつだ。学業、スポーツ、文化面のすベてにおいて優秀な成績が求められる伝統校で、2016年で開校100周年を迎えた。映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」シリーズの特殊効果や小道具制作を手がけたWeta社が提供する映像機器、音声録音機材などを利用できる専科教室のほか、整備されたパソコン教室、美術クラス、学校敷地内に点在するフリースペース(一部にはなんと、ミニキッチンも存在する)など、整った学習環境には目を見張るものがある。

目指す生徒像は「音楽も文化も、スポーツも、オールマイティな男子」。私学ならではの充実した設備には目を見張るものがある
写真:私学ならではの設備が整うスコッツ・カレッジ

 スコッツ・カレッジが目指す生徒像は「音楽も文化も、スポーツも、オールマイティな男子」。学習カリキュラムはニュージーランド国内のNCEA(全国共通学力試験)国際バカロレア(IB)DPプログラム課程の両方に対応しており、Year11を修了後、NCEA課程か国際バカロレア(IB)課程かを選択できる。Year12を修了した生徒のうち97%はYear13への進学を希望し、大学進学率も高い授業料はどちらの課程も変わらず、Year11から13の留学生の場合は、寮費を含め年間で約3万NZドル(約360万円)程度。在学生はだいたい75%がNCEA課程に進み、残りの25%は国際バカロレア(IB)課程に進むという。

 授業についていけない生徒は英語クラスを追加受講する必要があり、決して楽な学習環境ではないが、伝統が裏打ちする確かな国際レベルの教育への評価は高い。Year1(6歳)からプログラミング教育を施し、タブレットやノートPCを使った美術、音楽、工作授業など、グローバル基準の最先端な教育が取り入れられている点も特徴的だ。日本の学校では味わうことのできないカリキュラムや教育環境を選ぶことは、留学先を決めるうえでもっとも意義のある選び方かもしれない。

Nelson College for Girls(ネルソン女子中学・高校)


留学チェックポイント:男女別学か、共学校か

 子どもの意向以上に保護者の希望が重視されるのは、男女別学か共学校か、という基準だろう。日本では公立校が男女別学の形態を採るのは敬遠傾向にあるが、海外、特にアジア・オセアニア地域では男女別学を探すのも特段、難しいことではない。

 共学校の受入れ生徒数は一般的に大規模であるから、学校設備が整っていることが多い。選べる学校数は男女別学より圧倒的に多く、幅広い国やエリアから学校を選ぶことができる。一方、男女別学は特色のある教育方針を採る学校が多く、男子は男子、女子は女子に合った環境で学業に専念できる点をメリットとしてあげられるだろう。

 Nelson College for Girls(ネルソン女子中学・高校、以下NCG)は、国内屈指の晴天率に恵まれ、国内から“Sunny Nelson(サニーネルソン)”として親しまれる南島のネルソンにある公立女子校。音楽や科学、歴史科目のほか、彫刻や絵画など、人としての素養を育むことに注力している学校だ。

 留学生の受入れを強化し始めたのは1990年代から。年間平均40名程度の留学生を受け入れており、日本からは2学期にあたる4月以降の入学が多いという。経済的に裕福な女子が集まるイメージを持たれやすいというが、同校校長は「実に多様な女子生徒が集まる学校です」と評価する。

ネルソン女子中学・高校校長のCathy Ewing氏。女子生徒の学びやの挑戦を後押しする場づくりに尽力している
写真:ネルソン女子中学・高校のCathy Ewing校長。平等、公平、それでいて聡明なレディのお手本

 女子校ならではの細やかさを生かし、ここ数年ではESOL(English for Speakers of Other Languages、非ネイティブのための英語クラス)の受入れ体制を拡充。英語力のない生徒もケアできるような組織に強化し、留学生だけでなく、数名の難民生徒の受入れも行っている。たとえば、英語力が足りない生徒は、週25時間ある授業時間のうち13時間をESOLクラスに充て、残りの13時間は現地生徒と交流する体育や芸術などの授業に参加できる。

ネルソン女子中学・高校の寮生が利用する「International House」。24時間体制で寮母がつき、女子生徒の生活をしっかりと支える
写真:ネルソン女子中学・高校の寮生が利用する「International House」

 異国の地で心細い思いをしないようにと、長年続く寮母によるサポート体制も好評だ。「International House」と呼ばれる、留学生が暮らす寮には、学校生活や授業についてから、プライベートな友人関係まで、どんな相談にも親身になって応えるという、寮母担当教諭が24時間体制で常駐する。2016年4月からNCGで学ぶ加藤彩乃さんは、寮母の女教師を務めるアナ先生を「ネルソンでのお母さんです」と称し、全幅の信頼を寄せる。「いろいろな国の子がいるから、先生はさまざまな言語で挨拶ができるんです。ちょっとでも不安そうな顔をしている子には声をかけてくれるし、本当に優しいです」と、第二の母国となるであろう、ニュージーランドでの生活を支える学校制度と寮の在り方に満足気なようすを見せた。

ネルソン女子中学・高校で過ごす加藤彩乃さん(左)と柴田莉子さん(右)
写真:ネルソン女子中学・高校で過ごす加藤彩乃さん(左)と柴田莉子さん(右)

 自らNCGを希望し、2015年7月からネルソンでの留学生活をスタートしたのは柴田莉子さん。留学生としても、NCGの生徒としても学校内からの信頼が厚く、留学を考える日本からの女子生徒やその家族に向け、学校案内を行うこともあるという。自身の生活については、「学校の先生はみんな本当に親切なので、わからないことがあれば教えてくれるし、女子同士だからこそ解放できる面もあって、充実した生活が送れると思います」と笑顔でコメント。女子校であるにも関わらず、近隣男子校との交換授業がある点はネルソン女子中学・高校ならではの特徴的だとし、日本とはまた異なる女子校の在り方に刺激を受けたようすだった。

ニュージーランドの教育制度



 学期制や新学期開始時期、長期休暇の時期は大きな関心ごと。留学セミナーやフェアでは、保護者や生徒から「現地入りに最適な時期はいつですか」という質問がなされているのを多く見かける。留学のスタートは、留学先の国や学校を決めてから留学準備を始める方法と、留学できる時期に合わせて国や学校を選ぶ方法と、2つの入口がある。我が子の留学準備にはまず、その国の教育制度を調査すると良いだろう。

ニュージーランドの教育システム 日本の教育制度との対応を表す 画像作成:Education New Zealand
図:ニュージーランドの教育システム

 たとえば、ニュージーランドでは、日本の「学年」にあたる単位を「Year」と表す。義務教育は5歳から16歳の児童・生徒が通うYear1から11まで。Year8を修了すると、日本の中学。高校にあたるセカンダリースクール(ハイスクール、カレッジ)へ進学する。日本の学校制度と比較すると、義務教育はYear1から8までの小学校、中学校前半と、Year9からの中学校後半・高校、といったイメージだ(Year6を修了したあとに進学できるインターメディエイト・スクール(中学準備校)は除く)。

 Year9および10では必修・選択科目を学び、Year11からは高校に該当する必修科目と進路に応じた教科を選択できる。なお、Year11から13の生徒はNCEA(全国共通学力試験)を受験し、3段階ある結果(受験レベル)に応じた進路選択が求められる。たとえば、義務教育はYear11までのため、Year11でNCEAレベル1を修了すると、Year12に進学するか、国立工科大学・ポリテクニック(日本で創設される専門職大学に近い)のCertificate(サーティフィケイト)課程に進学できる。原則、国立総合大学(Univercity)や国立工科大学・ポリテクニックの学士課程(Bachelor's Degree)に進学するためには、Year13でNCEAレベル3を修了する必要がある。

 学校区分に限らず、原則、ニュージーランドの新学期は1月下旬から2月の間に始まり、12月中旬に該当学年度を終える。4学期制を採り、カリキュラムはTerm1から4までの区切りに沿って進む。海外留学で目安としてあげられる入学に適した時期というのは明確に掲げられておらず、自身の目的や在学校のカリキュラム進度にあった渡航計画を立てやすい点が特徴だ。ただし、ニュージーランドと日本は季節が真逆のため、日本の6月から9月はニュージーランドでは冬にあたる。よって、季節感覚のズレに伴う体調管理や持ち物の準備には十分に配慮したい。

※編集部注:年齢や学年、滞在期間など、時間にかかわる発言はすべて2017年3月時点のもの
(協力:ニュージーランド大使館 エデュケーション・ニュージーランド、ニュージーランド航空)
《佐藤亜希》

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