渋谷区、H30年度に渋谷区版ネウボラを開始…ICT教育システムも本格運用

 渋谷区は平成30年2月6日、「平成30年度渋谷区当初予算案の概要」を公表した。渋谷区版ネウボラで予算1億8,350万円を計上し、妊娠・出産・子育ての支援や相談場所の整備を進める。また、ICT教育システム「渋谷区モデル」の本格的な運用を開始する。

生活・健康 その他
予算案の概要「財政規模」
  • 予算案の概要「財政規模」
  • 予算案の概要「渋谷区版ネウボラ」
  • 予算案の概要「待機児童対策」
  • 予算案の概要「ICT 教育システム『渋谷区モデル』の推進」
  • 予算案の概要「防犯カメラの設置&地域を見守る目」
 渋谷区は平成30年2月6日、「平成30年度渋谷区当初予算案の概要」を公表した。渋谷区版ネウボラで予算1億8,350万円を計上し、妊娠・出産・子育ての支援や相談場所の整備を進める。また、ICT教育システム「渋谷区モデル」の本格的な運用を開始する。

 渋谷区の平成30年度当初予算案によると、一般会計予算規模は937億7,000万円。前年度の926億5,000万円より、1.2%増となった。当初予算案事業シートから子育て・教育・生涯学習分野をみると、「渋谷区版ネウボラ」事業(予算1億8,350億円)をスタートさせる。本場フィンランドのネウボラを参考に、渋谷区独自の子育て支援・健康相談・専門相談を一体化した施設を神南分庁舎跡地に開設する事業で、開設時期は平成33年度を予定。

 フィンランド大使館のWebサイトによると、ネウボラ(neuvola)はアドバイス(neuvo)の場という意味。妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援や、家族全体の心身の健康サポートを目的としている。渋谷区では、妊娠初期から18歳までの切れ目ない支援を充実させる考え。誰もが集い、地域とつながる場所を目指す。

 平成30年度はネウボラの基礎である産後ケアの充実、要支援家庭を対象とした子どもショートステイ事業のほか、平日夜間の小児初期救急診療を開始し医療体制を充実させる。「渋谷区版ネウボラ」は、平成31年度から仮庁舎第一庁舎跡にて先行開始し、健診時における子ども家庭支援センター・子ども発達相談センターなどとの連携対応を強化。平成33年度から新神南分庁舎跡地複合施設(仮称)にて本格実施となる。

 渋谷区のほかにもネウボラ事業を行っている区がある。品川区の「しながわネウボラネットワーク」では、全妊婦面接や産後の家事育児支援の利用助成、産後ケア事業などを実施。平成30年度からは、乳房ケアを中心とした「訪問型産後ケア」を新たに実施する。世田谷区の「世田谷版ネウボラ」では、妊娠中から「ネウボラ・チーム」がサポートし、出産・育児のほか家族に関することなどさまざまな相談を受け付けている。

 渋谷区はネウボラ事業のほか、待機児童対策(予算38億4,700万円)として、4月に私立園7園・こども園1園を新設。新規保育施設整備により、認可定員を722人拡大する。賃借物件を活用した保育施設への賃借料補助の拡大、施設整備に限ることない多様な待機児童対策の推進を掲げている。

 また、ICT教育システム「渋谷区モデル」の推進(予算8億4,500万円)を行う。平成29年9月より、全児童・生徒と教職員に1人1台のタブレット貸与し、授業および持ち帰りによる学習を実施しているが、平成30年度からは本格的な運用を開始。教育指導のICT化による質の向上、情報教育の充実などで、授業改善や情報活用能力の育成を図る。校務のICT化により、教員の働き方改革も推進させる。

 そのほか、地域を見守る目として防犯カメラを増設。平成29年度は区立小学校全18校の通学路に1校あたり5台の防犯カメラを設置したが、平成30年度と31年度の2年間で新たに100台の防犯カメラを設置する。東京オリンピックへ向けた安全対策も兼ねており、通学路のほかにオリンピックの関連施設やイベント会場などに効率的に設置することで、「安全・安心なまちづくり」を推進する。

 なお、渋谷区庁舎は平成30年10月には新庁舎が完成し、平成31年1月に開庁予定。新庁舎への移転を契機に、区政におけるワークスタイル改革を実施する。ICT化の推進や執務環境の変革などで、年間約10億円の削減効果を見込んでいる。
《黄金崎綾乃》

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