不足した授業の補完、保護者6割以上「夏休みの短縮」希望

 新型コロナウイルス対策による休校措置により不足した授業時間の補完方法として、特別警戒都道府県に住む保護者の67.1%が「夏休みの短縮による授業の実施」を希望していることが、エドベックが行った調査で明らかになった。

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不足授業の補完として望むもの
  • 不足授業の補完として望むもの
  • 学校から提供されたオンライン授業を受けた経験
  • 学習塾から提供されたオンライン授業を受けた経験
  • 子どもがオンライン授業を受けて心配なこと
 新型コロナウイルス対策による休校措置により不足した授業時間の補完方法として、特別警戒都道府県に住む保護者の67.1%が「夏休みの短縮による授業の実施」を希望していることが、エドベックが行った調査で明らかになった。

 教材システムの開発・販売などを行うエドベックは、新型コロナウイルスによる休校措置が各地域で異なり地域間の教育格差や入学選抜試験にまで及んでいることを受け、休校による授業時数の補完とオンライン授業の受講状況に関するアンケート調査を実施。調査期間は2020年5月7日から9日で、対象は調査開始時点で特別警戒都道府県に指定されていた東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の13都道府県に住む小学1年生から高校生までの子どもを持つ保護者。有効回答は4,708人。

 また、5月11日から18日にかけて、対象エリアのうち小学5年生から中学生までの子どもを学習塾に通わせ、子どもがオンライン授業を受けた経験のある保護者を対象に追加調査を実施した。有効回答は443人。

 休校の影響により学校教育が十分に行えない場合の授業の補完方法について複数回答で聞いたところ、「夏休みの短縮による授業の実施」67.1%がもっとも多くの希望を集めた。ついで、「土曜日の授業拡大」47.0%、「オンライン授業の実施やICTを活用した補習」33.4%と続き、「9月入学」を希望する保護者は29.6%に、「学習内容の削減」は9.1%にとどまった。

 調査エリア全体で、学校から提供されたオンライン授業を受けた経験は20.0%、民間教育機関(学習塾)から提供されたオンライン授業を受けた経験は19.5%となり、大きな差はでなかった。オンライン授業の導入状況は、学校では高校生が30.4%、民間教育機関(学習塾)では中学生が28.5%でもっとも割合が高くなった。

 また、追加調査で民間教育機関(学習塾)に子どもを通塾させている保護者に対し、オンライン授業を受けて心配なことや困ったことを複数回答で聞くと、1位「現在の学習の習熟度や理解度、成果が見えにくい」41.8%、2位「授業、学習進度の遅れ」38.8%、3位「授業に集中していない、できていない」33.0%との意見が上位にあげられた。ほかにも、学習意欲が上がらない、友だちとのコミュニケーション機会が減るといった心配の声もあり、通常とは異なる学習環境を危惧しているようすがうかがえた。
《畑山望》

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