大学入学共通テストの英語改革、現場の不安増…イーオン調査

 センター試験に代わり2020年度から実施される「大学入学共通テスト」の英語試験で民間の外部試験が導入されることについて、間近で大学受験に直面する高校教師の4割が「不安に思う」ことが、イーオンの調査で明らかになった。

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新大学入学共通テスト・英語科目への外部試験導入についてどう思うか
  • 新大学入学共通テスト・英語科目への外部試験導入についてどう思うか
  • 新大学入学共通テスト・英語科目への外部試験導入を「良いと思う」理由
  • 新大学入学共通テスト・英語科目への外部試験導入を「不安に思う」理由
  • 認定民間試験8試験のうちふさわしいと思う試験
  • 新大学入学共通テスト・英語科目内容が4技能を測るものへ転換することについてどう思うか
  • 新大学入学共通テスト・英語科目内容が4技能を測るものへ転換することを「良いと思う」理由
  • 新大学入学共通テスト・英語科目内容が4技能を測るものへ転換することを「不安に思う」理由
  • 「授業は英語で行う」基本方針の実施状況
 センター試験に代わり2020年度から実施される「大学入学共通テスト」の英語試験で民間の外部試験が導入されることについて、間近で大学受験に直面する高校教師の4割が「不安に思う」ことが、英会話教室を運営するイーオンの調査により明らかになった。実施が目前に迫る中、現場では不安の声が増しているようだ。

 「中高における英語教育実態調査2018」は、イーオンが2018年夏、中学・高校の英語教師を対象に全国6都市で開催した「中学・高校英語教員向け指導力・英語力向上セミナー」の参加者を対象に実施したもの。中学教員132名、高校教員137名、計269名の有効回答を得た。

 2020年度からセンター試験に代わって実施される大学入学共通テストの英語試験において、民間の外部試験が導入されることについては、中学では約半数の49%が「良いことだと思う」と回答し、「不安に思う」28%を上回った。一方、間近で大学受験に直面する高校では、「不安に思う」が41%となり「良いことだと思う」28%を上回る結果となった。直近での対応を迫られる高校の方が不安を強く感じている傾向にある。

 民間外部試験導入について「良いことだと思う」と回答した理由は、中高ともに「4技能を正しく測定、採点できるため」がもっとも多く、「大学受験後も役に立つ資格として利用できる」が続いた。「不安に思う」と回答した理由は、「経済格差・地域格差が出てしまう」がもっとも多く、ついで「それぞれの外部試験間の評価を平等に設定できるのか疑問に思う」との意見がみられた。

 大学入学共通テストで導入される民間外部試験には、2018年度時点で8試験が認定されている。そのうちどの試験がふさわしいと思うかとの質問には、「英検」が中高ともに3分の2の票を集めトップとなった。高校では「GTEC for STUDENTS」が39名で2位、「TEAP」が24名で3位となったのに対し、中学では「TOEIC L&Rテスト/TOEIC S&Wテスト」が37名、「TOEFL」が32名と続き、中高で若干の差異がみられた。

 大学入学共通テストの英語試験が「4技能を測る内容へと転換していくこと」については、中学で59%、高校で53%が「良いこと」と回答したものの、前年に実施した「中高における英語教育実態調査2017」より中学で10ポイント、高校で20ポイント減少しており、「不安に思う」との回答が高まる結果となった。

 4技能を測る内容への転換が「良いこと」とした理由は、中高とも「4技能試験のために学習すれば、将来英語を使いこなせるようになると思う」がトップとなり、ついで高校では「これまでの『読む』『聞く』だけでは不十分だと考えていたから」、中学では「学習指導要領の内容と大学入試試験の内容が合致するようになるから」と続いた。一方、「不安に思う」との理由では、中高ともに「受験に必要とされるレベルの4技能を教えられるか不安」に票が集まった。

 高校では導入済み、中学では2021年度より導入が決定している、英語の授業を「英語で行うことを基本とする」との文部科学省の方針について、現状どの程度実践できているかを尋ねたところ、高校では「半分未満(25~50%未満)」41%、「あまり英語を使った授業を行っていない(25%未満)」26%と、合わせて67%が授業の半分以上を日本語で行っていると回答。一方、中学では50%以上「英語を使った授業を行っている」との回答の合計が55%と過半数を超え、先行導入している高校を上回り、英語での授業運営が進んでいる結果となった。英語での授業が実践できていない要因としては、「生徒のレベル・実態を考えるとすべて英語での実施は難しい」がほかの回答に大きく差をつけた。

 現在の授業、教授法についてサポートが必要だと感じる点は、高校では「スピーキング指導」、中学では、英文を読みその内容を第3者に英語で説明するなどの「技能統合型指導(いくつかの技能を掛け合わせた学習指導)」が票を集めた。「技能統合型指導」は高校の2位、「スピーキング指導」は中学の2位となり、中高ともに現場では共通の課題を感じていることがわかる結果となった。
《畑山望》

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